メンタルヘルス問題による企業(組織)への悪影響も無視できなくなっています。厚生労働省の発表によると、労災補償請求のうち精神障害等が原因となっている件数は2000年(平成12年)から2007年(平成19年)のわずか8年間で約4.5倍(212件→952件)に増えています(図3)。ごく普通の職場においても、ストレスなどのメンタルヘルスの問題は身近な課題になってきており、場合によっては自殺や労災請求のような重大な事案にいたることもあるのです。
対外的にはこのような安全配慮義務違反による巨額の賠償金の支払いといった労災リスクが主に取り上げられますが、それだけではなく、社会的責任の軽視による企業(組織)イメージの悪化という風評リスクにもつながります。
一方、内部の問題としては、職場の人間関係の悪化、労働意欲の低下、サービスの質の低下、休職・離職の増加といった生産性に大きな悪影響を与えることになります。ある調査では、メンタルヘルスの問題が生産性の低下や重大事故の発生など、実際の企業パフォーマンスにマイナスの影響を及ぼすと考えている企業は8割以上にのぼることが報告されています(図4)。


つまり、職場環境を含めた個人を取り巻く環境がメンタルヘルスの問題を引き起こし、適切に対処されない場合には、企業(組織)の経営上のリスクとして、1.生産性低下のリスク、2.労災リスク、3.訴訟・風評リスクが生じます。










